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繋-TUNAGU- 会員様インタビュー

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株式会社ハル
代表取締役社長
中村 あつ子 氏 Nakamura Atsuko
(略歴)
1989年 株式会社アンティムを設立
2009年 大阪府庁にて、民間人初の副理事 兼 都市魅力課長として3年間の任期つき採用
2011年 〜 2018年 大阪府立大学観光産業戦略研究所 客員研究員
2012年 株式会社ハル 取締役副社長
2025年 株式会社ハル 代表取締役社長
ひらめきから、27歳で独立
大阪は豊中市の生まれです。じつは小学生の頃から、漠然とですが「社長になりたい」という夢を抱いていました。
大学卒業後は、広告代理店に入社しました。当時は男女雇用機会均等法が施行された頃でしたが、女性は男性以上に努力しなければ認められない、そんな時代の空気を感じていました。「環境を変えるより、自分で道を切り拓こう」と決意し27歳で独立しました。貯金通帳にはいくらあるのかも見ませんでした。若い女性社長という立場で、周囲の信用を得るのに苦労しましたが「なんとかなるさ〜」というお気楽さがあったからこそ、船出の苦労を乗り切れたのでしょう。
そんな私の仕事をサポートしてくれた相棒がいます。日本に導入されてまだ間もなかった「Macintosh(マック)」です。パソコンの知識は不十分でしたが、当時は黎明期であり、お互い知らないユーザー同士で情報交換をしながら機器のトラブルなどを解決していたものです。その頃は食事や睡眠の時間を削って夢中で働き、日本の経済バブルの波に乗り、徐々に仕事が増えていきました。
大阪府庁時代と、逆境を乗り越えた3年間

2009年、大きな転機が訪れます。
当時の橋下徹大阪府知事による民間人登用を受け、新設された都市魅力創造局の「都市魅力課長」に就任することになったのです。せっかく創業した会社を退職し、府庁に入ることへの不安がなかったわけではありません。しかし、周囲のアライアンスグループの社長たちから「素晴らしい機会だからぜひ行った方がいい。留守は見てあげるから」と温かく送り出してもらえたことで 「挑戦してみよう。大きなキャリアになるし、何よりも得がたい経験ができるだろう」と覚悟を決めることができました。
しかし、意気揚々と入庁した私を待っていたのは民間企業とは仕事の進め方や組織文化が大きく異なる環境でした。戸惑うことも多く、試行錯誤の連続。5千人の行政職の大きな組織の中で、マニュアルも明文化されたものもないなか、自分で仕事をつくることからはじまりました。
さらに印象に残っているのは、入庁早々に経験した議会答弁でした。議会の仕組みや委員会での進め方も手探りだった私に、知事の看板公約である「御堂筋イルミネーション」への答弁があり、大きな緊張感の中で臨みました。3年間の任期の間、議会答弁の数は私が毎回トップで大変だったことは忘れられません。
今では冬の風物詩となった「御堂筋イルミネーション」は橋下知事の公約で、初年度は2億円の予算でした。私に与えられたのは、そのうち1億円を民間からの寄付で集めるという前例のない任務です。日々が試練の連続でしたが「絶対にあきらめない」という強い意志を持って、逃げずに走りきりました。結果として、職員と一緒に、わずか2カ月で1億6千万円もの寄付を集められたことは、いまとなってはよき思い出です。
自ら考え、動く組織とは
行政組織で成果を生み出すには、私なりの秘策がありました。名付けて「自ら考え、動く組織をつくる5つのマネジメント」の実践です。具体的には、①笑顔で挨拶する、②組織のルールに沿って行動する、③ネットワークを作る、④スペシャリストの力を見せる、⑤絶対にあきらめない、の5つです。 なかでも、こだわったのが「笑顔で挨拶する」です。まずリーダーである私が、誰よりも明るく挨拶をしようと決めました。そのために、鏡の前で笑顔を作る練習をし、毎日発声練習をして登庁していました。
最初は、周囲も戸惑っていたように感じました。ですが、「おはようございます!」と声をかけ続けることによって、少しずつ周囲との距離が縮まり、信頼関係が生まれていきました。その結果、3年目には組織全体の連携も深まり、「大阪ミュージアム構想」の様々なイベントや「御堂筋イルミネーション」「水都大阪」など、職員と力を合わせて成功に導くことができました。
社員一人ひとりが「タレント」として輝くべし

2012年からは、創業した会社と別の会社2社とが合併して生まれた株式会社ハルへと復職しました。その際「会社は人が財産であり、社員は大切な仲間である」という自分なりの理念を掲げて再スタートしようと決心しました。以前、高いプロ意識を求めるあまり、スタッフに対して厳しい目を向けてしまった苦い経験があったからです。その反省があるからこそ、いまは誰もが安心して自分らしく、そして最大限の力を発揮できる職場環境づくりに力を注いでいます。
スタッフを画一的な枠にはめるのではなく、それぞれの強みを引き出すことがリーダーの役割です。だからこそ、社員たちにいつもこう伝えています。「一人ひとりがタレントです。自分の個性を磨き、輝いてほしい」そんな社員たちをプロデュースし、全力でサポートしていく──そんな「タレント事務所」のような、個性がイキイキと躍動するクリエイティブな組織を目指して今日も頑張っています。
日々の学びが感性を磨く
これといった趣味はありません。あえて挙げるとすれば「読書」です。少しでも気になったものや「いいな」と感じた本は、迷わずその場で買ってしまいます。なかでも若い頃からのお気に入りの哲学書があります。中村天風著「成功の実現」です。この本を通して、自分に対しての前向きな言葉(アファーメーション)を使うことを学び、今も実践できていることは私にとっての財産だと言えます。
また、演劇やコンサート、様々な演出が施された舞台作品を鑑賞しに行きます。舞台という空間は、最先端の演出、音楽、光、そして演者の熱量が一体となった、究極のクリエイティブの場でもあります。斬新なアイデアを創り出すためには、日々感性をアップデートしておくことは不可欠です。読書や舞台観劇を通じて磨いた直感力や視点が、社長業としての大きなクリエイティブの源泉として、仕事に役立っていると思います。
GCCOとの出会い

そんな私にとって、なくてはならない大切な場所がGCCOです。ハルが難波から梅田に移転した際に、「仕事や接待に使える、居心地の良い場所はないかしら」と考えていたところ、以前からお付き合いがあった支配人(当時)のことを思い出し、入会しました。ハルのある梅田ダイビルの目の前ということもあり、ものすごく使い勝手がよいので、重宝しています。
特別なお客様をお迎えする際でも、都会の喧噪から離れた落ち着いた雰囲気がありますから、お互いを理解しあい、深い対話がしやすいように感じます。また、幹事を務める卒業校の同窓会も開催しました。総勢100人近くの賑やかな集まりでも、スタッフの方々が細やかに対応してくださるので、私の同窓生はみな満足してくれているようです。
GCCO特製のガレットもお気に入りです。お土産として重宝しています。公私とも末永く付き合っていきたい素敵な大人が集まるサロン──それが私にとってのガーデンシティクラブ大阪なのかもしれません。
編集後記
変わらぬ誠実さ
元ミズノ株式会社 松下真也様にご紹介いただいた、「余りある人」の集まり「余人会」で中村さんとご縁をいただいて以来、お付き合いをさせていただいております。穏やかな笑顔と洗練されたお人柄が印象的な中村さん。誰に対しても変わらぬ誠実な姿勢や、細部まで妥協しないプロ意識、そのお人柄に触れるたび、多くの刺激をいただいています。行政組織改革で実践された「自ら考え、動く組織をつくる」マネジメントや、社員一人ひとりの強みを引き出す組織づくりの考え方に、私たちも多くの学びをいただきました。
また、当クラブのサービスやメニューに対していただく率直で本質的なご意見は、よりよいクラブづくりを目指す私たちにとって、大きな気づきと励みになっています。これからもサービスの質を磨き、よりご満足いただけるクラブを目指してまいります。

インタビュー記事:ライティング株式会社

