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繋-TUNAGU- 会員様インタビュー

繋-TSUNAGU-

Vol.81 2026.January

共感がコミュニティを広げ、共創が社会を変えていく

株式会社LIVLA / 株式会社ママそら

代表取締役

奥田 絵美 様

株式会社LIVLA  代表取締役

株式会社ママそら  代表取締役

奥田  絵美 氏

 

PROFILE

2001年  4月 SMBC日興証券株式会社 入社

2005年  3月 SMBC日興証券株式会社 退社

2005年  6月 有限責任 あずさ監査法人 入社

2010年  3月 有限責任 あずさ監査法人 退社

2013年  4月 株式会社ママそら 創業 代表取締役 就任

2017年12月 株式会社LIVLA 創業 代表取締役 就任

 

 

キャリアの断絶と孤独な育児

出身は福岡県です。新卒で日興証券に入社、その後上京してあずさ監査法人に転職しました。とにかく仕事が大好きで、順調にステップアップし、やりがいを感じる毎日を過ごしていました。

ところが、結婚してまもなく夫が沖縄に転勤になり、泣く泣くキャリアを手放す決意をしました。知人が一人もいない地で、初めての出産、育児がスタートしたのです。夫は毎晩帰りが遅く、親には心配をかけたくないから相談できない。息子と二人きりで、不安と孤独に押しつぶされそうでした。女性やママの集団に苦手意識を持っていましたが、このままではダメだと、勇気を出してベビーマッサージ教室に行ってみました。そこで助産師さんの「孤独を感じているのはあなただけじゃない、大丈夫よ」という言葉に救われました。教室で初めてのママ友もでき、繋がり頼り合えることへの安心感から子育てを楽しめるようになりました。

 

共感が力を生み出すことを実感

こどもが1歳になり、週2日のパートを始めました。社会と繋がり働ける喜びを感じていた矢先、夫の再転勤で東京に戻りました。次、いつどこへ転勤になるかわからない状況でキャリア継続の難しさに直面し、「私は働くことを諦めるしかないのかな」と落ち込みました。

唯一の心の支えは、SNSでつながる沖縄のママ友でした。東京で朝焼けの写真をアップした時、彼女も同じ朝焼けを見て、「空はつながってるね」とコメントをくれたのです。そのとき、視界がパッと開けました。

「近くにいなくても、つながっていることがママの安心になる!」と痛感し、SNS上にママのコミュニティを作ろうと思い立ちました。「空はつながっている」ことと、Social Laboratoryの意味も込めた「ママそら」の誕生です。

それからは毎日、育児の不安やノウハウをシェアする記事を発信し、日本各地でママイベントを開催しました。それが共感を呼び、数ヶ月で会員三千人を超えるコミュニティに成長。すると予想外のことが起こりました。なんと仕事の依頼が来たのです。和菓子屋さんから「健康的で子供のおやつにもいいくず餅を、若いママさんに広めたい」とSNSでの発信を依頼されました。報酬をいただいた時「同じような需要が他にもあり、ママたちの新しい働き方を作れるかもしれない」と思い、起業を考えるきっかけになりました。当時、ソーシャルビジネスが一般的ではなかったため周囲には大反対されましたが思い切って法人化に踏みきりました。

 

ママのキャリア形成を最大限に応援

起業後1年で夫が大阪へ異動となりましたが、もう転居を恐れる必要はありません。それどころか大阪支部を作るきっかけになりました。

当時はアベノミクスが「女性の活躍」を掲げ、省庁が女性の復職の後押しを始めたので、自治体からの依頼も増えました。SNSを見た大手企業からも声がかかり、ニッセンさんと「ママの欲しい服」、大塚食品さんと「こどものためのボンカレー」を開発するなど、順調に実績を積むことができました。取引先に求める条件は、子育てや社会に対する考え方が共感できる企業であること。どんなに単価が高い仕事でもママたちが共感できない仕事は引き受けません。共感できる企業や仕事は働きがいと生産性を高め成果にも繋がりやすいです。

ママそらスタッフには、出産や育児を理由にキャリアを諦めなければいけなかった、優秀なママが大勢います。フレキシブルな勤務時間や在宅ワークなどママたちが活躍しやすい環境を整え、彼女達のスキルとキャリアを存分に発揮し、家庭生活と両立させている「プロフェッショナルなママ集団」です。

スタッフの働き方は2通りです。フリーランスとして自分の裁量で働ける業務委託と、妊娠出産を見越して育休など福利厚生のある社員です。現在は両者を合わせ50名強の組織にまで成長しました。特に女性や子育て世帯向けのPR・マーケティング分野に強みを持ち、企業の広報人材不足の解消にも繋がっています。

 

子どもと地域をつなぐ共創イベント「みらいのたからばこ」

「ママでもキャリアを諦めない」ことが実現できたいま、次世代に目が向くようになりました。

初めに動いてくれたのは、東日本大震災を経験した福島支部のママたちです。「子どもたちに、夢や希望を持って行動し、生き抜く力をつけさせたい」という願いのもと、地域の企業・自治体・学生が一体となって企画運営する地域密着型の職業体験イベント「ふくしまのたからばこ」を開催しました。地元の企業を知り、身近にいる素敵な大人と出会えるため、子どもはもちろん親御さんにもシビックプライドが醸成されます。2016年に始め、2018年には1.4万人規模のイベントにまでなりました。

その後コロナ禍を経て、グレードアップした「みらいのたからばこ」が2023年にスタート。「地域共創で叶えるウェルビーイング」をコンセプトに産官学連携で開催し、初回は大阪で出展企業80社、約2万人が来場、その後2年間でトータル340社、7.5万人を動員しています。子ども向けのイベントですが、「共創」がテーマとなっており「企業間コラボ」が生まれています。さらに、ボランティアの学生が、出展企業に採用されるなど思わぬ効果が出始めています。

体験格差をなくすこともテーマの一つで、職業体験は完全無料です。実は、聴覚障がい者の両親をもつ私は、幼少期、障がい者枠で工場勤務する親の姿しか知らず、自分の将来が描けませんでした。また最近は、疲弊した親の姿を見て「大人になりたくない」と感じるこどもや学生も増えています。育つ環境で見える世界は変わります。地域社会にはかっこいい大人たちがたくさんいます。いろんな人、いろんな生き方を見てほしい。大人になるのも楽しいし、仕事も、子育ても面白い。若い世代にそれを伝えたいです。

 

子どもを育むのは、親だけではない

家族は、14歳年上の夫、今春高校生になる息子、そして猫が一匹。結婚当初は亭主関白な夫でしたが、今では私が出張で月の半分を留守にしても応援してくれるほど、理解ある夫に心から感謝しています。息子はeスポーツ選手を目指して頑張っており、家族3人がお互いの夢を応援できる、いいパートナーです。

ママそらを起業したとき息子はまだ2歳で、大学生にシッターをお願いするなど、周囲の協力により育ててもらいました。一人息子にとってシッターの存在は大きかったです。私には言えないことも相談できるらしく、息子の悩みを内緒で教えてもらい大変助かりました。シッターさんはただ都合よくお願いする存在ではなく家族のような「絆」が感じられる存在です。最近、当時のシッターさんから結婚式へ招待状が届きました。素直に嬉しかったですね。

 

GCCOで共感の輪を広げ、共創につなげたい

GCCOは取引先の方の紹介で入会しました。エグゼクティブな方が多く、ご自分の人生を充実させた上で、純粋に交流を楽しみに来ておられる様子が居心地良く感じています。

会員さんのなかにはCSRを意識した取り組みをされている企業さんも多いと思いますが、それはどうしても外からは見えにくい。そこをオープンにして共有すれば、課題解決や共創につながるのではと期待しています。異なるコミュニティが重なることで解決できる課題もあるはずです。私が女性経営者や学生さんとGCCOの架け橋となることで、少しでも共創のきっかけができれば嬉しいです。

 

編集後記

異なるコミュニティの交流で起こる化学反応に期待

可憐な外見とは裏腹に、行動力に溢れる奥田さん。ご自身が直面された女性の社会課題に屈することなく、強い志を掲げてママたちのキャリア支援の道を切り拓いて来られました。

そんな奥田さんと、以前から会員の交流促進にお力添えいただいている㈱エクス 抱さんとのお話のなかで、「GCCOの枠を超えて、学生さんを交えた取り組みをしよう」というアイディアが生まれました。目下、奥田さんの人脈を頼りに、まったく新しい「場」の創出を構想しております。ここGCCOで、企業の方と学生さん、双方が自然な形で出会えたなら、様々な可能性が広がることでしょう。未来の会員候補に巡り合えるかもしれない!と私もワクワクしております。(編集子)

 

(インタビュー記事:ライティング株式会社)

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