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繋-TUNAGU- 会員様インタビュー

繋-TSUNAGU-

Vol.71 2024.March

新しい価値のファミリーレストランを、全国に届けたい

株式会社ピソラ

代表取締役

鬼界友則 様

【略歴】

1997年3月 京都府立東高等学校卒業

1997年4月 都ホテル(現・ウエスティン都ホテル京都)にて勤務

2002年9月 BABYFACEplanet’sフランチャイズ店にて勤務

2004年9月 株式会社ミューズ入社

2010年12月 PISOLA1号店となる和泉観音寺店オープン

2019年9月 会社分割により株式会社ピソラ設立

2022年9月 関東での店舗展開に向け株式会社ピソライースト設立

2023年4月 持株会社ピクスホールディングス設立

 

 

夢を見つけた高校時代

人生で初めてのアルバイトは、高校2年生の時。ファストフード店でした。そこで接客業の奥深さに目覚め、高校卒業に必要な出席日数が危うくなるほどでした。
また、地元のイタリアンレストランのパスタに感動して、「将来イタリアンレストランのオーナーになりたい」という漠然とした夢が生まれたのもこの頃です。
卒業後はホテルの専門学校に進学する一方で、先輩からのすすめもあり京都の老舗一流ホテルでアルバイトをスタート。やがて宴会サービスの会場責任者を任されるまでになりました。皇族や国賓クラスのお客様に接遇する機会に恵まれたことが、その後の大きな糧になりました。

 

人生のどん底を経験

その宴会サービス課のなかでは私が一番若く、当初は希望に満ちていました。ただ、仕事を一通り覚えると、変化のない毎日がだんだん苦痛になってきました。やりがいや目標を完全に見失い、うつ病に近い状態にまで陥ったわけです。いま思えば、ここが人生のどん底でした。
そんなとき、ちょうどホテルの経営陣が外資系に切り替わることとなり、一念発起して転職を決意したのです。
もちろん再就職のアテはなかったのですが、求職中の私に友人が「とあるフランチャイズ店が京都にオープンする。ベビーフェイスという会社だ。一緒に働かないか」と声をかけてくれたのです。
そこで2年間働きました。この会社は1店舗だけの運営で十分とする方針でしたが、わたしは「いいや。多店舗展開が可能だぞ」と感じていました。
そんな限界を感じていたとき、偶然手に取った求人誌広告が目に飛び込んできました。同じフランチャイズに加盟した「株式会社ミューズ」が多店舗展開を視野に入れて1号店をオープンするというのです。「これは運命だ」。そう直感した私は、すぐに応募。その経験が買われ、ミューズでは早速、飲食事業の責任者に任命されました。

 

逆風を追い風にしたピソラの成長

ミューズに入社してからは順風満帆でした。最初の5年間で5つの新規店舗のオープンに成功しました。ただ一方で、私には長年の夢であった「オリジナルのレストランを作りたい」との思いはあせず、並行して構想を練っていました。
ちょっとした「晴れの日」を気軽に祝えるようなファミリーレストラン。わざわざ繁華街にでることなく、親子孫三世代が気軽に集まれ、手づくりの料理を楽しむ。そんな新しい価値を体現する店舗を全国展開したい。これが本場イタリアやバリ島訪問で導き出した私なりの「こたえ」でした。
しばらくして、その構想をミューズ社とベビーフェイス社にプレゼンしました。結果は「やってみろ」とのこと。本当に嬉しかったです。ですから最初は社内起業としてのスタートしたのがPISOLAです。2010年に一号店がオープンし、その後も順調に新規店舗を増やしていきました。
2019年9月には、ミューズからの会社分割により「株式会社ピソラ」を設立。ここで念願の独立が果たせたわけです。
ところが独立の半年後に事件がありました。新型コロナのパンデミックです。売上げは激減し、PISOLA初の赤字、それも大赤字を経験しました。「いきなり倒産か」と生きた心地もしませんでした。
だがジタバタしても仕方がない。腹をくくって、足元を固めることにしました。ムダを徹底的に見直して改善、雨降って地固まるという言葉どおり、企業としての基礎体力の強化ができたと思います。
そこで2021年からは新店舗オープンをはやばやと再開。コロナ禍でよい条件の空き物件が多数でてきた「追い風」も重なり、関東進出をふくめ一気に43店舗まで伸ばすことができました。
現在、PISOLA全店舗が黒字です。それだけ多くのお客様に必要とされていることに誇りを持って運営しています。目標は300店舗。もう青写真はできています。
振り返ると、私はつくづく運がよい人間だと思います。運だけかもしれません。ホテルマンから外食チェーンへの転身、独立までそれぞれベストなタイミングで、ベストな人とのご縁がまるで計られたかのように繋がっていったからです。一瞬でもその歯車が狂っていれば、いまの私はありません。

 

アルバイト社員は"宝の山"

外食に限らずどんな業種でも当てはまりますが、経営の要は「人材」です。慢性的人手不足のこの時代、何をしても定着率が悪いのは、会社の方針と社員の意識に剥離があるからです。
私は、アルバイトからの正社員登用をメインルートに設定しました。これが宝の山なのです。業界の常識をやぶり「ネイルや金髪はダメ」という細かい規則がないため、新規店舗のアルバイトには百人以上の応募があります。社員登用したい人材には、イベントを企画して幹部との接点を作ったり、次年度方針発表会に招いたりして、会社のビジョンをしっかり伝えます。その理念に共感する人材だけを選抜するためです。
彼らには、大学3年時にはリクルートを終え、在学最終年でマネージメントをしっかり終えられるというメリットがあります。卒業時には、若くて頼もしい即戦力の人材が誕生している、というわけです。そのため平均年齢は若く、定着率は高いです。
そんな彼らに対して、リーダーとして大切にしていることがあります。常に誠実に、決して嘘をつかないこと。それだけです。だから会社のビジョンに対してもブレがでません。たとえ朝令暮改しても、ビジョンを実現するための軌道修正であれば、社員は納得してくれています。
そんな社員達とは休日に釣りに行ったりします。仕事の話は一切しません。琵琶湖でひたすらブラックバスを追いかけるなど、オンとオフを使い分けています。

 

GCCO先輩メンバーは心強い存在

釣り以外は、無趣味です。それを気にしていたので、とあるご縁で知り合った元鳥貴族専務の中西さんに相談すると「なくてもええやん。俺も趣味ないで」とのこと。非常に励まされましたね。
じつはGCCOには、入会前に中西専務とご一緒させていただいたことがあり、アクセスの良さやホールの素晴らしさに大きな魅力を感じていました。ピソラの本社は滋賀で、大阪の取引先が多いため、これまで面会場所に苦労していました。入会後は、取引先の方にも喜んでいただいています。人脈が拡がっていくことがうれしいので、見かけたらぜひ声をかけてくださいね。

 

有限実行の誠実なお人柄

鬼界社長との初対面は、共通の知人の還暦祝いの席でした。

ご宴席の場でしたので簡単なご挨拶しかできませんでした。その翌日のこと、「入会の手続きはどうしたら良いですか」とのお電話をいただきました。

この行動力に大変驚き、感激しました。

鬼界さんは自らを「運がいい」と仰いますが、その運を引き寄せたのは鬼界さんの有限実行のお人柄だと感じます。

この出来事を通じて、誠実な人柄に触れることができ、心から感銘を受けました。

GCCOにとっても、外食業界で起業し、大活躍しておられる鬼界さんは経営者として非常に稀有な存在です。会員の皆様方とさらなる交流を深め、新しい風を吹き込んでいただければと期待しております。

皆様のお住まいの近くにもPISOLAがあるはずです。ぜひ足を運んでみてくださいね!(編集子)

 

 

 

(インタビュー取材:ライティング株式会社)

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