Member
Introduction
繋-TUNAGU- 会員様インタビュー

- TOP
- Member Introduction
- 人を笑顔にする仕事で、社員と組織が共に前に進めるように
株式会社ウエルネス阪神
代表取締役社長
岡本 直樹
(略歴)
1964年 兵庫県生まれ
1987年3月 関西学院大学商学部 卒業
同年4月 阪神電気鉄道株式会社 入社
2006年 株式会社ウエルネス阪神へ異動
2022年 株式会社ウエルネス阪神 代表取締役社長に就任
「人が集まり、笑顔になる」仕事を目指して
エンターテイメントに興味を持ったのは、学生時代です。関西学院大学の商学部で経営学やマーケティングを学びながら、商学部認可団体の「広告研究会」に所属し、新入生勧誘イベントや学祭の催しなどの企画・運営をしていました。それがとても楽しく、卒業後も人を集め、笑顔にさせるエンタメ業界で働きたいと思うようになったのです。阪神電気鉄道株式会社に入社したのは、タイガースファンだったこともありますが、甲子園球場や阪神パーク、六甲山などのエンタメ施設を多数運営していることを知ったからでした。
入社後六甲山に配属になり、イベントの企画や予算の作成など、さまざまな仕事をさせてもらいました。3年後には本社の企画部門に異動になり『ホール・オブ・ホールズ六甲』の立ち上げに関わることになりました。これは、現在の『ROKKO森の音ミュージアム』です。

感動を呼んだオルゴールミュージアム『ROKKO森の音ミュージアム』です。
新事業のモデルとなったのは、山梨県清里の複合観光エリアにある『オルゴール博物館ホール・オブ・ホールズ』です。100年以上前に作られた巨大なオルゴールや、自動演奏のオルガン、ピアノ、バイオリンなどが展示されており、当時の音色で来場者を楽しませたり、さまざまな音楽イベントが催されていました。
視察の際、その音色や空間演出に人々が感動している光景を目の当たりにして、私自身も大きく心を動かされました。他の立ち上げメンバーも同じだったようで、誘致に向けて全力で邁進し、10億円規模のプロジェクトとして始動。スタッフの採用や売上・費用管理システム等インフラ整備業務に奔走し、集客戦略の構築にも頭を抱えながらも、コンテンツ自体に十分な魅力があったため「開業すれば、必ず人が集まるだろう」という予感がありました。
予感通り、1994年7月のオープン直後から連日、多くの来館者で賑わい入観者の長い待機列ができたのです。私と他のスタッフで、毎日列の整理をしていました。
阪神・淡路大震災が起きたのは、その半年後です。六甲山への交通が遮断され、しばらくは関西全体が混乱していました。復旧には時間がかかりましたが、おかげさまで現在も、六甲山の人気施設として皆様に楽しんでいただいています。
ウエルネス阪神の新事業、ディッピン・ドッツアイスを手がける
2006年に子会社のウエルネス阪神に異動になりました。当時は直営のフィットネスクラブとレストラン、甲子園球場でのフードサービスや、タイガースチームショップでの物販が主な事業でした。その中で大きな売上を占めていたのは、やはり球場での事業です。ただ、入場人員に左右されるという不確定要素を抱えていました。
安定した利益を確保するためにも、直営事業を増やさなければならない。そこで着目したのが、甲子園球場の店舗でも販売を行っていたアメリカのアイスクリームブランド『ディッピン・ドッツ』です。
マイナス196℃で素材を瞬間冷凍する独自製法により、小粒でサラサラした形状となる、他にはない新食感のアイスです。販売時に「ディッシャーでアイスを丸く整形して盛り付ける」という技術が不要で、オペレーションの簡単さも大きな魅力でした。そこで、東京の他社が保有していたディッピン・ドッツの輸入・独占販売権を買い取り、自社事業として始めたのです。
この事業を担当した時の目標は2つありました。ひとつは、甲子園球場での販売実績もPRし、新規顧客を開拓すること。もう一つは、東京を中心とする既存顧客の売上を増やすことです。
東京のビジネス経験がない私にとって、後者は大きな課題でした。
そのときに助けてくださったのが、本社の先輩です。東京で事業を展開していた先輩から「関東でビジネスをするなら、会っておくといい」と、キーマンになる人物を紹介していただいたおかげで、既存顧客の売上拡大と新たな販路を開くことができました。
現在のディッピン・ドッツの利益額は、事業を買い取った時と比べて5倍近くに伸びました。会社に安定した利益をもたらす事業の一つに成長したのです。

会社と社員は「共存共栄」
事業が安定した利益を生み、会社の発展に寄与する。それは社員全員の努力の賜物です。心から感謝していますし、リスペクトもしています。それもあり、時間が許す限り現場に顔を出し、社員と話をするようにしています。
当社の事業はフィットネスやスタジアムなど、総合職的な内容ではありません。そのため現場には、事業そのものに興味を持っている社員が集まっています。その興味が仕事へのモチベーションになる一方で、会社の方針と噛み合わなくなる場面も、当然ありました。
昔の私は「社員ならこうするべきだ」という特定の価値観にこだわっていたかもしれませんが、今は、現場の声を聞き、個々の能力をフルに活用してもらえるよう、会社側もフレキシブルに動くことを心がけています。
その重要性を知ったのは、ある第三セクターに専務として出向したときです。現場スタッフとなかなか打ち解けることができず、しばらく悩んだ後に「毎朝、現場で社員・アルバイトと話をしよう」と決めて実行したところ、次第にアウェー感が薄れていきました。最終的にその会社は廃業となりましたが、社員全員の再就職を支援することができ、良好な関係性を築くことができました。
変えられるのは自分と未来であり、他人と過去は変えられません。ですが、自分を変えて未来が変化する過程で、他人との関係性や環境も、良い方向に変わっていくものだと思っています。
会社の発展が社員の生活を豊かにし、社員の努力が会社をさらに発展させる。会社と社員はそのような「共存共栄」の関係であることを伝え、理解してもらう。それが社員のモチベーションを保ち、事業を成功に導くポイントだと思っています。


人の熱意からエネルギーをもらい、前を向く力に
私の妻は看護師ですが、趣味のギターが高じて社会人の音楽バンドに所属しているため、よくライブを見に行きます。
平日は仕事をしながら熱意を持って練習に打ち込み、休日にステージに立って、観客に感動を与える。自分には到底できないことを実現している人たちを見ると、体の底から大きなエネルギーが湧いてくるような、不思議な衝動に包まれます。
それはGCCOでも同じです。実に多種多様な業界、経歴、立場の方々が集まっているにもかかわらずアットホームな雰囲気があり、年齢や肩書きに関係なくフレンドリーなお付き合いをしていただける。このような場所は他になく、いつも大きな刺激を受けています。
最近、ファイナンシャルプランナーとキャリアコンサルタントの資格をとりました。これは、セカンドキャリアで働いているメンバーさんの影響を受けたからです。自分も定年退職した後、資格を活かして幅広くいろいろな方のライフプランやキャリア形成の相談に乗ったり、支援をしていきたいと考えるようになりました。
自分はまだまだ挑戦できる、勉強できるとメンバーさんを見ていると刺激を受けます。これからも学ばせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(インタビュー記事:ライティング株式会社)

